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「ぼくもやりたい!」
ある日の昼間、私が水書きで習字の練習をしていると、3歳になったばかりの息子がそう言って寄ってきました。
「やる、やる!」
何度言っても聞きません(笑)
子どもに何かをさせたいとき、「やりなさい」「やってごらん」と声をかけても、なかなか動いてくれない…。そんな経験、ありませんか?
ゆっぴいでも実は、いちばん効くのは「言うこと」ではなく「見せること」なのかもしれません。
今日は、息子が自分から机に向かった日のことと、そこから気づいたことをお話しします。
息子が「ぼくもやりたい!」と言った日
私は毎日、日本習字の課題を水書きで練習しています。
いつもは息子がいない朝や、寝たあとの夜に取り組んでいます。子どもがそばにいると、なかなか集中できないですよね。
でもその日は、たまたま昼間に練習していました。
すると息子がじーっと私の手元を見て、「ぼくもやりたい!」。
筆を渡してみると、息子はうれしそうに椅子に座り、線を書いたり、「十」を書いたりしはじめました。
縦線と横線だけの、シンプルな字。それでも本人は真剣そのもの。
そして、ふと息子を見たときに気づいたんです。
背筋が、ピンと伸びていました。
「姿勢よくしてね」なんて、ひとことも言っていないのに。
子どもは、親が楽しそうにしていることを、いちばんよく見ています。
子どもはなぜ親の真似をしたがるのか
① 「ママと同じ」がうれしいから
2〜3歳ごろの子どもは、とにかく大人の真似が大好きです。
料理をしていれば「やりたい」、掃除をしていれば「やりたい」。親がやっていることは、何でも自分もやってみたくなります。
これは、小さい時期に限った話ではありません。
小学校教員として15年以上子どもたちを見てきて、私が何度も感じたことがあります。
挨拶ができる子の親は、やっぱり挨拶をしてくれる。
きちんと謝れる子の親は、やっぱりきちんとしている。
洋服や持ち物がきちんとしている家庭は、子どももきちんとできていることが多かったです。
読書が好きな子もそうでした。面談で聞いてみると、「親も読書が好き」「家でよく本を読んでいる」という話がよく出てきました。
子どもは、親がやっていることを何でもやってみたくなる。そして、それがいつの間にか、その子自身の習慣になっていくんですね。
子どもは、親の「言うこと」より「やっていること」を真似します。
② 子どもは「見て」学ぶ
心理学者のアルバート・バンデューラは、人は他人の行動を見ることで学ぶ「観察学習」という考え方を示しました。
子どもは、言葉で教えられたことだけでなく、身近な大人の姿からたくさんのことを吸収しています。
だからこそ、親の姿そのものが、いちばんの教材になるんです。
③ 「やらされる」と「やりたい」はまったく違う
同じ習字でも、「やりなさい」と言われて座るのと、「やりたい!」と自分から座るのとでは、気持ちがまったく違います。
自分で決めたことは、楽しい。楽しいから、続く。
子どもにやらせたいことは、まず親がやってみる。
これが、私がこの日にいちばん強く感じたことでした。
水書き習字が、幼児のはじめの一歩にぴったりな理由
息子が習字デビューできたのは、水書きだったからこそだと思っています。
① 汚れないから、親も「ダメ!」と言わなくていい
墨を使う習字だと、服や床、机が汚れないかハラハラしますよね。
水書きなら、使うのは水だけ。汚れる心配がありません。
親が「ダメ!」「気をつけて!」と言わなくていいので、子どもものびのび書けます。
② 筆を持つ練習になる
3歳だと、まだ鉛筆をしっかり持つのは難しい時期。
でも筆なら、ぎゅっと握っても線が書けます。「道具を持って書く」という経験を、楽しみながら積み重ねられます。
鉛筆の持ち方については、こちらの記事でも詳しくお話ししています。


③ 気づくと姿勢がよくなっている
椅子に座って、筆を持って、紙に向かう。
それだけで、子どもの体は自然と「書く姿勢」になります。息子の背筋が伸びていたのも、きっとそのおかげです。
④ 乾くと消えるから、何度でも書ける
水書きは、時間がたつと字が消えます。
失敗しても気にならないし、何度でも書き直せる。
消えるから、何度でも挑戦できる。 これは、小さな子どもにとって大きな安心です。
📝 私が使っている水書きの道具
私が普段使っているのは、日本習字の水書きシートと、100円ショップの水書きシートです。
「子どもがどのくらい興味を持つかわからない…」という方は、まずは100円ショップのシートで気軽に試してみるのがおすすめです。筆を持つこと、書くことが楽しいと感じられれば、それだけで十分な第一歩になります。
本格的に練習したくなったら、日本習字の水書きシートのような練習用のものを使ってみるのもひとつの方法です。
習字だけじゃない。読書も新聞も同じ
これは、習字に限った話ではありません。
親が本を読んでいると、子どもも本を開こうとします。
私が新聞を読んでいると、息子も興味を持って覗き込んできます。まだ字は読めないので、見ているのは写真だけ。
それでも、「新聞を開く」という瞬間が、生活の中に少しずつ増えていきます。
その小さな積み重ねが、いつか「自分から読む」「自分から学ぶ」につながっていくのだと思います。
習慣は、教えるより「うつる」もの。
「ママが大好き」な今が、いちばんのチャンス
親のやることを何でも真似したい時期は、ずっとは続きません。
大きくなるにつれて、友達や自分の好きなことに夢中になっていきます。それはもちろん、うれしい成長です。
だからこそ、「ママと同じことがしたい」と言ってくれる今は、とても貴重な時間。
小学校で子どもたちを見てきて、私が強く感じていることがあります。
机に向かう習慣がない子は、正しい姿勢を保つことができません。
すぐに体がふにゃふにゃしてきて、机にうずくまったり、疲れてしまったり…。そうなると、集中力も途切れてしまいます。
勉強が苦手なのではなく、「座っていること」そのものに力を使い切ってしまっているんです。
一方で、小さいころから座る習慣が身についている子は、まず授業の時間をきちんと座って過ごすことができます。
座ることがクリアできているから、その分の力を、勉強に集中するために使えるんです。
集中力の土台は、「座っていられる体」から。
3歳の息子が、水書きの筆を持って背筋を伸ばしていた姿。あの時間は、きっとこの土台づくりにつながっているのだと思います。
「一緒にやると楽しい」という経験をたくさん積んでおくことで、自分から机に向かう子に育っていくかもしれません。
「一緒にやろう」が言える時間は、実はそんなに長くありません。
今日からできる3つのこと
✔ 子どもが見ている時間に、あえてやってみる
私も、たまたま昼間に練習していたから、息子の「やりたい」に出会えました。いつも子どもがいない時間にやっていることを、ときどき見える時間にやってみてください。
✔ 上手さより、「やってみた」をほめる
線がまっすぐじゃなくても大丈夫。「やってみたね」「背筋ピンとしてたね」と、取り組んだこと自体を認めてあげましょう。
✔ 子どもの分の道具を、そっと用意しておく
「やりたい」と言ったときにすぐ渡せるように。水書きなら、準備も片付けもラクです。
まとめ|「やりなさい」より「やって見せる」
- 子どもは、親が楽しそうにしていることをよく見ている
- やらせたいことは、まず親がやってみる
- 水書き習字は、汚れない・筆を持つ練習になる・姿勢がよくなる
- 読書や新聞も同じ。習慣は「うつる」もの
- 座る習慣が、集中力の土台になる
- 「ママと同じがいい」と言ってくれる今が、いちばんのチャンス
子どもに何かを身につけてほしいと思うと、つい「やらせなきゃ」と力が入ってしまいますよね。
でも、まずはお母さん自身が、好きなことを楽しむ。
その姿こそが、子どもにとっていちばんの「やってみたい」のきっかけになります。
毎日の子育て、本当にお疲れさまです。今日は5分だけ、自分の好きなことを子どもの前でやってみませんか?





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