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宿題のノートを開いて、思わず「うわぁ…」
「もっと丁寧に書いて」とつい言ってしまって、子どもは不機嫌に。 親子でちょっと気まずい空気になる。



こんな経験、ありませんか?
私も元小学校教員として、たくさんの子どもたちのノートを見てきました。100人以上の子に国語や書写を教えるなかで、気づいたことがあります。
字が整っていく子に共通していたのは、”練習量”ではなく”家庭の雰囲気“でした。
しかも、特別なドリルも、長い練習時間も、いりません。 大事なのは、たった2つ。
「褒めること」と「楽しむこと」。
今日は、家庭で今日から取り入れられる「字が整う家庭習慣」を5つ、元教員目線でお伝えします。
なぜ「叱る」より「褒める」「楽しむ」のほうが効くのか
結論から言うと、叱られて書いた字は、子どもの中で「嫌な記憶」とセットになってしまうからです。
「また怒られる」と思いながら書く字は、体が縮こまって、余計に乱れていきます。
反対に、「楽しい」「褒められた」という気持ちで書いた字は、脳に気持ちよさと一緒に記憶されるそうです。「もう一回やりたい」という気持ちが自然と湧いてくる。
私も教員時代、こう感じていました。 字は、技術よりもまず”気持ち”で変わる。
上手に書かせようとがんばるより、「書く時間って、なんかいいな」と子ども自身が思えることのほうが、ずっと近道でした。
家庭でできる「字が整う習慣」5選
ここからは、私が実際に小学校でも、そして自分の子育てでも意識している5つの習慣をご紹介します。
① 鉛筆の持ち方を”ゲーム感覚”でチェック
字が乱れる原因の多くは、鉛筆の持ち方にあります。
でも、「ちゃんと持ちなさい」と言っても、なかなか直らないですよね。
私がクラスでよく使っていたのは、「3本指のチームワーク!」という合言葉。
・親指さん ・人差し指さん ・中指さん
この3本でやさしく鉛筆を挟む。1日30秒でいいので、「今日もチーム組めてる?」と軽く声をかけるだけで、意識が続きます。
直そうとするより、ゲームにしたほうが続きます。
② 「どこが一番上手?」と子どもに選ばせる
これは教員時代、本当に効果があったやり方です。
書き終わったノートを一緒に見ながら、こう聞きます。
「この中で、ママ(先生)に一番見てほしい字はどれ?」
子どもは真剣な顔で1文字を選びます。 そして指さしながら、「これ、”はらい”がきれいにできた」などと説明してくれるんです。
自分で選ぶ=自己評価の目が育つ。
「書き直し」よりもずっと、字を見る目が育ちます。
③ 一文字だけ「本気で書く」時間をつくる
宿題全部を丁寧に書かせようとすると、親も子もへとへとになります。
私は、「1日1文字だけ本気で書く」をおすすめしています。
どの字でもいい。 1文字だけ、気持ちを込めて書く。
この”本気の1文字”の積み重ねが、気づけばノート全体の字を変えていきます。
「全部きれいに」より、「1文字だけ本気で」。 これだけで、気持ちがぐっと楽になります。
④ マスの中で「止め・はね・はらい」を意識する
低学年のうちは、罫線ノートよりもマスノートや書道半紙のような大きく書けるスペースのほうがきれいに書きやすいです。
マスの中に「止め」「はね」「はらい」を意識して書くと、1文字ずつの形がぐっと整います。
我が家でも、ときどき書道の半紙を出してきて、大きな筆で好きな字を書いて遊んでいます。大きく書くと、細かいコツも見えやすいんです。
半紙が大変なら、水で書くこともできます。
⑤ 字を残して「成長アルバム」にする
これは、少し時間が経ってから効いてくる習慣です。
月に1枚でいいので、その月の”お気に入りの1文字”をアルバムに貼っておく。
並べてみると、子ども自身が「あ、最近のほうが上手い!」と気づきます。
親に言われるより、自分で気づいたほうが、ずっと嬉しいですよね。
「成長してる自分」が見える仕組みを、家庭の中に置いておく。 これが、続ける一番の燃料になります。
小学校で実際に試してみた話|花丸を”レベルアップ制”にしたら
ここからは、私が小学校の担任をしていたころの話です。
毎日、子どもたちのノートに赤ペンで花丸をつける。これは担任の大事な仕事のひとつでした。
ある日、ふと気づいたんです。
「毎回同じ花丸だと、子どものテンションが上がらない…」
そこで思いついたのが、花丸の”レベルアップ制度”。
丁寧に書けた字には、段階的に”ご褒美の花丸”をつけていくことにしました。
- 一重丸 → ふつうにきれい
- 二重丸 → お、がんばったね
- 三重丸 → かなりいい!
- 花丸 → 最高!
- 花丸+葉っぱ付き → プレミアム
- 花丸+葉っぱ+ちょうちょ付き → 殿堂入り
最初のうちは、私もちょっと遊び心のつもりでした。
でも次の日から、教室の空気が変わったんです。
「先生、今日は葉っぱついた!」 「ちょうちょほしい!」
そう言って、子どもたちが自分から丁寧に書こうとする姿が増えていきました。
不思議なもので、「もっと丁寧に書いて」と叱っていた時期よりも、ずっと字が整っていったんです。
そのとき、気づきました。
子どもを動かしていたのは”字が上手くなりたい”という気持ちよりも、 “先生を驚かせたい” “先生を喜ばせたい”という気持ちだったんだな、と。
これは、そのまま家庭でも使えます。 赤ペン1本あれば、今日から始められます。
お母さんの花丸に、葉っぱとちょうちょを添える。 それだけで、子どもの「書く時間」は魔法みたいに変わっていきます。


避けたいNG声かけ3つ
最後に、つい言ってしまいがちだけれど、気をつけたい声かけを3つだけお伝えします。
私自身、教員時代にも子育てでも、ついやってしまっていたものです…。
・「もっと丁寧に書きなさい」 → 具体的にどうすればいいかがわからない
・「お姉ちゃんはもっと上手だったよ」 → 比較は自信を奪ってしまう
・「こんな字じゃ読めない」 → 書くこと自体が嫌いになってしまう
代わりに、こう言い換えてみてください。
・「この”はらい”、きれいにできてるね」
・「昨日よりこの”止め”が上手くなってる!」
・「この1文字、どうやって書いたの?教えて」
“どこが”よかったか、具体的に伝える。 ただそれだけで、子どもは次もまた、丁寧に書きたくなります。
まとめ|字は”技術”より”気持ち”で整っていく
今日お伝えしたことを、まとめておきますね。
・鉛筆の持ち方は「3本指のチームワーク!」で楽しく
・子ども自身に「どれが一番上手?」を選ばせる
・「1日1文字だけ本気で」で十分
・マスの中で「止め・はね・はらい」を意識
・月1枚の”お気に入り”を残して、成長アルバムに
・花丸は”レベルアップ制”で、子どものテンションごと育てる
・「具体的に褒める」が、何よりの声かけ
子どもの字は、練習量ではなく、書く時間がどれだけ楽しかったかで整っていきます。
一番大事なのは、隣で見ているお母さんが、「書く時間って、いいね」と一緒に楽しむこと。
今日のノートの中に、1文字だけでも”お気に入り”を見つけてみてくださいね。
その1文字に、赤ペンで花丸を。 そして気が向いたら、葉っぱとちょうちょも添えて。
きっと明日、子どもはその花丸を、お母さんに見せに来てくれるはずです。









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